特集 最新分類に基づく画像による悪性腫瘍の病期診断2017
前立腺癌
新本 弘
1
1防衛医科大学校 放射線医学講座
キーワード:
局所解剖学
,
画像強調
,
MRI
,
腫瘍侵入性
,
精嚢
,
前立腺腫瘍
,
拡散MRI
,
Apparent Diffusion Coefficient
,
TNM分類
,
標準化
,
横緩和時間
Keyword:
Anatomy, Regional
,
Image Enhancement
,
Neoplasm Invasiveness
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Neoplasm Staging
,
Reference Standards
,
Prostatic Neoplasms
,
Seminal Vesicles
,
Diffusion Magnetic Resonance Imaging
pp.178-188
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.18885/J01843.2017206470
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前立腺癌の罹患数(新たに癌と診断される数)は近年増加し,国立がん研究センターの調査によれば,2015年がん統計予測で,男性においては前立腺癌が最多となった1)。これは主にがん登録の精度向上とPSA検診の普及によるものと考えられている。また前立腺癌に対する治療法も,前立腺癌のリスク分類により,監視療法,手術,放射線治療,薬物療法などさまざまな方法があり,最近では去勢抵抗性前立腺癌(castration resistant prostate cancer;CRPC)に対して,新たな薬物(タキサン系抗癌薬や抗アンドロゲン薬)やα線放出放射性医薬品(223Ra)も登場してきている。一方,前立腺癌の画像診断に関しては,局在診断,病期診断はMRIが,リンパ節,遠隔転移に関してはCT,骨シンチグラフィ,PET/CTが主に用いられている。特にわが国においては前立腺MRIの普及は早く,診断の確定した前立腺癌の病期診断以外に,生検前のMRIも多くの施設で行われている。また2015年には前立腺MRIの撮像,読影の標準化を目指して,米国放射線学会,欧州泌尿生殖器放射線学会,AdMeTech財団が共同で『Prostate Imaging and Reporting and Data System version 2(PI-RADS v2)』を上梓した2,3)。本稿では,これら前立腺癌の画像診断,治療法の最新の動向を踏まえながら,術前病期診断およびPI-RADS v2のポイントに関して述べる。
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