特集2 CTにおけるDLRの基礎,臨床的有用性
序説
粟井 和夫
1
1広島大学大学院医系科学研究科 放射線診断学研究室
pp.1467-1467
発行日 2024年12月26日
Published Date 2024/12/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001908
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CTスキャンでは,人体の周囲から回転させながらX線を照射し,人体を透過したX線を検出器で受けて投影データ(生データ)を収集する。この投影データから水平断面画像を作成する過程は,画像再構成とよばれる。従来,CTにおける画像再構成法としては,解析的手法であるフィルタ補正逆投影法と,逐次的に数値計算を行う逐次近似画像再構成法が用いられてきた。近年,これらに加えて,深層学習を応用した画像再構成法(deep learning reconstruction:DLR)が新たに登場した。DLRは,投影データあるいは従来法で再構成された断面画像に対して,人工知能の一種である深層学習を適用し高画質の断層画像を作成する技術である。DLRによるCT画像は,2018年に広島大学の中村らがヨーロッパ放射線学会において世界で初めて発表し大きな反響を呼んだ。その後,各社がDLRをリリースしたこともあり,臨床の現場において急速に普及しつつある。
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