特集 真っ先に覚えておきたい画像診断の「サイン」
血管
藤本 敬太
1
,
金子 揚
1
,
松尾 政之
1
1岐阜大学附属病院 放射線科
キーワード:
大動脈解離(aortic dissection)
,
大動脈瘤(aortic aneurysm)
,
血管炎(vasculitis)
Keyword:
大動脈解離(aortic dissection)
,
大動脈瘤(aortic aneurysm)
,
血管炎(vasculitis)
pp.44-51
発行日 2023年10月30日
Published Date 2023/10/30
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001465
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大動脈解離は「大動脈壁が中膜のレベルで2層に剥離し,大動脈の走行に沿ってある長さをもち,2腔になった状態」で,本来の血管内腔(真腔)に加えて別の血流腔(偽腔)が形成される。剥離の範囲について明確な定義はなされていないが,臨床的には画像上明確に描出される範囲が1~2cm程度必要と考えられている。偽腔閉塞型大動脈解離は偽腔内の血流が消失し,血栓形成をきたしたものである。わが国のガイドラインにおいては加えて,内膜裂孔(tear)近傍に限局した偽腔内血流(ulcer–like projection;ULP)を有するものを個別にULP型と定義している。なお,欧米では「病理学的に定義されたtearを伴わない偽腔内の血腫」を表す表現として“intra mural hematoma(IMH)”があるが,近年ではtearを伴うものを含んだ“IMH with ulcer”や“IMH with ULP”などの表現も多用されており,臨床でこの語を使用する際には注意が必要である。
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