連載 X線診断Q&A
X線診断Q&A
小助川 維摩
1
1札幌医科大学整形外科講師
pp.715-716
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_715
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
Question
症 例.62歳,女.
主 訴:右鼡径部痛.
既往歴:洞不全症候群(ペースメーカー挿入後),心アミロイドーシス.
現病歴:介護施設での業務中,利用者を車椅子移乗させる際に右大腿部痛を自覚した.数日後に当科を初診し,股関節炎の診断で自宅近医での保存療法をすすめられた.受診先では腰椎疾患を疑われ,投薬と仙骨硬膜外ブロックにより症状は軽快と再燃を繰り返していた.殿部痛や右下肢のしびれも出現したため2ヵ月後に当科に再診した.腰椎椎間板ヘルニアの疑いで引き続き保存療法を指示されたが,その1ヵ月後には疼痛が強く歩行困難となり救急搬送された.
身体所見:荷重時痛を認めた.明らかな筋力低下はなかった.
単純X線所見:初診時股関節単純X線像(図1),ならびに再診時腰椎単純X線像(図2)を示す.
© Nankodo Co., Ltd., 2025