整形トピックス
手根管内滑膜におけるトランスサイレチンアミロイド沈着に着目した特発性手根管症候群の病態分類
山中 芳亮
1
1産業医科大学整形外科
pp.1310-1310
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_1310
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近年,特発性手根管症候群(carpal tunnel syndrome:CTS)において,手根管内滑膜へのトランスサイレチン(transthyretin:TTR)アミロイド沈着が病態の一因として注目されている.CTSの罹患率は,女性では50歳前後の更年期と70歳以降の高齢層に二峰性のピークを認め,男性では加齢とともに増加し70歳以降でもっとも高くなる1).一方で,CTSにおけるTTRアミロイド沈着率は男女ともに加齢とともに上昇するが,更年期女性では沈着率が低いことが報告されている2).このような背景から,TTRアミロイド沈着率の低い更年期女性と沈着率の高い高齢者ではCTSの病態が異なる可能性が考えられる.
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