連載 X線診断Q&A
X線診断Q&A
安井 洋一
1
1帝京大学整形外科准教授
pp.733-734
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_733
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Question
症 例.63歳,女.
主 訴:歩行時の右アキレス腱部・下腿後面の疼痛.
現病歴:1年前,ランニング中に左アキレス腱の疼痛を自覚した.近医を受診し,下腿肉ばなれと診断された.歩行時の強い疼痛は約1ヵ月で消失したが,長時間の歩行や階段の昇降時に疼痛が持続した.その後,複数の医療機関で慢性的な腱炎と診断され,保存療法を受けた.しかし,愁訴が改善しないため,当科を紹介され受診した.
初診時所見:右アキレス腱・下腿後面に軽度の圧痛があった.アキレス腱部の陥凹は触知できなかった.Thompsonテストでは患側の底屈は確認できたものの,健側に比べて反応が弱かった.さらに,患側で爪先立ちを行うことはできなかった.
単純X線所見:初診時の足関節単純X線像を示す(図1).
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