Japanese
English
画像診断
鏡視下Bankart修復術後肩における烏口上腕靱帯の組織弾性
-――超音波診断装置を用いた経時的評価と外旋可動域の関係
Ultrasound evaluation for tissue elasticity of coracohumeral ligament in shoulders after arthroscopic Bankart repair
麻田 昌彦
1
,
井上 泰博
1
,
小柳 磨毅
2
,
中川 滋人
3
M. Asada
1
,
Y. Inoue
1
,
M. Koyanagi
2
,
S. Nakagawa
3
1行岡病院理学療法科
2大阪電気通信大学医療健康科学部
3行岡病院スポーツ整形外科
1Dept. of Physical Therapy, Yukioka Hospital, Osaka
キーワード:
coracohumeral ligament
,
ultrasound
,
arthroscopic Bankart repair
,
strain elastography
Keyword:
coracohumeral ligament
,
ultrasound
,
arthroscopic Bankart repair
,
strain elastography
pp.1292-1297
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_1292
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に
鏡視下Bankart修復術(arthroscopic Bankart repair:ABR)後は肩関節の外旋制限を呈することが多く,特に下垂(1st)位での制限が残存しやすい1,2).肩外旋制限の遺残は外旋筋力の回復を妨げ3),二次的な疼痛の誘発が指摘されていることから4),術後肩における1st外旋可動域の改善は重要である.1st外旋の制限因子にはさまざまな要因が考えられるが,肩甲下筋5)や関節包6)よりも烏口上腕靱帯(coracohumeral ligament:CHL)を主要な制限因子とする報告が多い5~7).さらに近年,超音波のshear wave elastography(SWE)機能を用いた研究がすすみ,1st外旋制限を有する肩関節周囲炎患者ではCHLの硬化が指摘されている8~10).しかしながら,ABR後にCHLの硬化が生じているかは明らかではない.また,渉猟しえた先行研究はいずれも横断的な硬度の評価であり8~10),CHL組織弾性の経時的変化や1st外旋可動域の拡大との関係は不明である.
これらの背景をふまえ,本研究の目的は超音波診断装置のstrain ultrasound elastography(strain UE)機能を用いてCHLの組織弾性を経時的に評価し,さらにその変化と1st外旋可動域の拡大との相関を検証することとした.
© Nankodo Co., Ltd., 2023