学会を聞く
第45回日本マイクロサージャリー学会
四宮 陸雄
1
R. Shinomiya
1
1広島大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Integrated Health Sciences, Institute of Biomedical & Health Science, Hiroshima University, Hiroshima
pp.394-396
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_394
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1.は じ め に
2018年12月6日(木)~7日(金)の2日間,大阪国際交流センターで本学会は開催された.会長は五谷寛之氏(大阪掖済会病院副院長)[図1]が務められた.大阪での本会の開催は山野慶樹名誉教授(大阪市立大学)が第23回大会を開催されて以来,22年ぶりとなった.本会のテーマは「創新と融合」であり,形成外科と整形外科の相互協力のもと,新しい知見を得ると同時に,技術と経験を共有する意味が込められた.特にマイクロサージャリーの技術と経験は紙面上で伝承することはむずかしく,これまで本学会の発展に寄与されてきたパイオニアの先生方から学ぶ事柄はきわめて重要である.本学会では「マスターに聞く」という企画を2日間にわたって作っていただき,マイクロサージャリーでは世界的なパイオニアである8名の先生方による技術と経験の伝承が行われた.一方で学会や学術誌で取り上げられることが少なくなってきたケースレポートにもスポットライトがあてられ,“Case report Award” が企画された.革新的な仕事はケースレポートからはじまるといっても過言ではなく,テーマの創新にも通じる興味深い企画であった.また,本学会では多くのマイクロサージャンが若手の先生に指導するマイクロ講習会も併設されており,日頃指導を受けている先生とは違った作法を体験できるよい機会となった(図2).初日の夜には全員懇親会も催され,大学や科の垣根を越えた交流を行うこともできた(図3).最終的な本学会の参加者は706名に達し,盛会となった.
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