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連載 卒後研修講座
骨折治療におけるプレート固定・髄内釘・創外固定
-――それぞれのよさと使い分け
The correct way to use the plate;intramedullary nail and external fixator for the fracture repair
松村 福広
1
T. Matsumura
1
1東京西徳洲会病院外傷センター
1Trauma Center, Tokyo Nishi Tokushukai Hospital
キーワード:
locking plate
,
intramedullary nail
,
external fixator
Keyword:
locking plate
,
intramedullary nail
,
external fixator
pp.1295-1302
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei68_1295
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は じ め に
骨折治療は整形外科医にとって基本であると,よくいわれる.そして比較的簡単な領域としてとらえられているため,その治療は若手整形外科医に委ねられることが多い.しかし骨折治療といっても,実際に扱う対象は小児から高齢者まであらゆる年齢層になる.また骨折部位は上肢・下肢~脊椎・骨盤と幅広く,さらには多発外傷に伴う骨折,複数箇所が骨折した多発骨折,開放骨折,病的骨折などが存在するため,その奥深さは計り知れない.つまり多部位の,さまざまな種類の骨折を,複雑な環境下で治療しなければならない症例が多く存在するのである.
このようにさまざまな骨折を治療するうえで,骨接合術に使用できるインプラントの特徴と正しい使用法を知ることは重要である.特に近年では多種多様のインプラントが開発されている1~5).たとえば各部位ごとに使用できるアナトミカルロッキングプレート,骨幹端部まで適応を拡大した髄内釘などである.使用可能なインプラントの種類が多くなり,治療選択の幅が増えるのは喜ばしいことではあるが,より適切な骨折治療を行うためには,それぞれのインプラント特性を理解し,正確に使用することが手術を行うわれわれに課せられた必須条件となっているのである.
本稿では,まず骨癒合形態が異なる2種類の安定性について説明する.そして骨折治療におけるプレート,髄内釘,創外固定といった代表的なインプラントの基本的な使用法とその適応について解説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2017