特集 大人医師の復習帳―昔の常識,今でも大丈夫?
第10章 腎臓
[蛋白尿がない腎疾患]SGLT2阻害薬で治療します
長洲 一
1
1川崎医科大学 腎臓・高血圧内科学
pp.922-925
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika137_922
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蛋白尿がない腎疾患の今昔
腎疾患治療の幕開けは,日本人医師によって切り開かれました.1985年,Tagumaらがアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬による蛋白尿軽減効果を報告し1),それまで禁忌とされていた治療法に新たな可能性を提示しました.2001年にはRENAAL試験2)およびIDNT試験3)により,アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)による腎保護効果がランダム化比較試験(RCT)として証明され,以降約20年間にわたりレニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬中心の治療時代が続きました.その一方で,2015年のEMPA-REG OUTCOME試験4)において,SGLT2阻害薬であるエンパグリフロジンが心血管イベントを抑制することが示され,そのサブ解析では腎保護の可能性も示唆されました.そして2019年,雑多な慢性腎臓病(CKD)群を対象としたDAPA-CKD試験が報告され,CKD治療は新たな時代へと突入しました(図1).

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