特集 急増する患者を誰が診る? 成人先天性心疾患
扉
牧 尚孝
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター循環器内科
pp.180-181
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_180
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先天性心疾患の罹患率は全生産児の約1%といわれており,2024年の本邦の生産児数は約72万人であることから,毎年約7,000人の先天性心疾患患者が増加していると推定される.先天性心疾患児の生存率は,心臓血管外科治療の進歩により劇的に向上し,その90%が成人まで生存できるようになっている.そのため,現在では先天性心疾患患者は小児よりも成人患者のほうが多くなっており,2007年時点で約40万人の成人患者が存在すると報告されている.先天性心疾患のなかでも単純型の軽症例では,一般人口と同等の寿命が期待できる一方で,中等症,重症例では寿命が短く(生存期間中央値は中等症で75.4歳,重症で53.3歳),成人期での心不全や不整脈が問題となることが多い.

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