書評
本日の内科外来(改訂第2版)
稲葉 俊郎
1
1軽井沢病院 院長・総合診療科医長
pp.85-85
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_85
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- 文献概要
外来診療をしていると,ちょっとしたことで困ることが多い.近くに相談しやすい専門医がいれば電話して聞けばよいかもしれないが,そうした幸運な状況にいる医師は少ないだろう.専門書で調べれば専門的な見解に触れられるが,知りたい情報に到達するまでに時間がかかる.手早く知りたいとなるとインターネットで検索することになるが,それで得られるような情報は,患者さんも事前に知ることのできる情報ばかりだ.情報は「誰が書いているか」という情報源こそが重要だが,その点インターネットの情報はいつでも書き換えられることもあり,根拠としては心細い.今後,人工知能が進歩すると,専門医に聞くこと,専門書で調べること,気軽に検索して調べること,の間をつなぐものが生まれるだろうが,本稿を執筆している2023年の時点ではそのような便利なものは存在しない.やはり,困ったときは原点に戻って,アナログな本に頼るのが一番だ.
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