特集 患者さんからよく尋ねられる内科診療のQuestion
第3章 循環器
[45歳男性,仮面高血圧]病院で毎回血圧は正常なのに,なぜ家で血圧を測らなければいけないのでしょうか?
成田 圭佑
1
,
苅尾 七臣
1
1自治医科大学 内科学講座循環器内科学部門
pp.639-641
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_639
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過去の研究において,家庭血圧は診察室血圧と比較し,より優れた心血管疾患リスクの指標であることが報告され,本邦を含む世界のほとんどの国の高血圧治療ガイドラインで家庭血圧および24時間自由行動下血圧(ABPM)の測定が推奨されています.また,診察室血圧の欠点として,測定時の体調やストレスなどの影響を受けやすい点や,測定が診察の際のみであり一般外来患者では数ヵ月に1回といった非常に少ない頻度での評価であることなどがあげられます.そのため家庭血圧と比べ日常的な真の血圧が反映されにくく,診察室血圧のみの評価では,診察室外血圧よりも診察室血圧が高値となってしまう白衣高血圧や,診察室血圧が正常範囲であるが診察室外血圧では異常高値となってしまう仮面高血圧といった病態を見逃してしまう可能性があります.
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