書評
気管支拡張症Up to Date
進藤 有一郎
1
1名古屋大学医学部附属病院呼吸器内科 助教
pp.81-81
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_81
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- 文献概要
気管支拡張症は,咳嗽,喀痰,反復する気道感染がみられる慢性呼吸器疾患であり,さまざまな原因により生じた慢性的な気道炎症,気道構造の破壊,クリアランス障害,感染症という四つの異なる要素が相互に影響しながら不可逆的な気管支拡張を生じる状態をいう.気管支拡張症は,病態に多様性があり,原因は多岐にわたる.本疾患の診療にあたっては原因検索が非常に重要である.本書第2章の「原因疾患と検査の進め方」にも書かれているとおり,原因を特定することにより,5~37%の症例で治療や管理の方策が変わると報告されており,積極的な原因検索が結果として予後改善にもつながると考えられている.
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