特集 どうする!? 突然の感染症対応―外来患者も入院患者も
対 談
感染症とリスクコミュニケーション
-COVID-19の経験を振り返って
中村 造
1
,
佐藤 昭裕
2
1東京医科大学病院 感染制御部
2医療法人社団OURS KARADA内科クリニック五反田
pp.1147-1154
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_1147
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中村 われわれ感染症専門医はこれまでも専門家同士の情報共有や,一般の方々への正確な情報提示の重要性を意識していましたが,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によってあらためてリスクコミュニケーションが社会へ与える影響の大きさを痛感しました.情報発信する際に,受け手側に正しく理解いただけるか,受け手側が集団になったときにどのような反応が起きるかというところまでを見越したコミュニケーションははたしてできていたでしょうか.一口に「リスクコミュニケーション」といっても,情報を伝達するメディアにはテレビやラジオ,新聞や雑誌,SNSなどがありますし,発信する内容も論文などエビデンスに基づく内容や私見などさまざまなので,それぞれ注意すべき点は異なると思います.
本日は,さまざまなメディアからCOVID-19の感染対策などについて情報発信されている佐藤先生をお呼びして,これまで取り上げられることの少なかったリスクコミュニケーションについて議論したいと思います.
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