連載 Focus On
口腔カンジダ症の早期発見と治療
森田 浩光
1
,
梅﨑 陽二朗
2
,
吉住 潤子
3
,
平木 昭光
3
1福岡歯科大学総合歯科学講座訪問歯科センター
2福岡歯科大学総合歯科学講座高齢者歯科学分野
3福岡歯科大学口腔・顎顔面外科学講座口腔腫瘍学分野
キーワード:
口腔カンジダ症
,
口腔の保清
,
抗真菌薬
,
バイオフィルム
Keyword:
口腔カンジダ症
,
口腔の保清
,
抗真菌薬
,
バイオフィルム
pp.135-141
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_135
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口腔カンジダ症は小児や高齢者,免疫不全患者などに発症する口腔内常在微生物による内因感染症および日和見感染症である.口腔カンジダ症は症状に乏しい場合も多く,放置すると食道カンジダ症などの重症化を引き起こす場合もあるので,早期発見・治療が必要である.免疫不全や代謝系疾患,悪性腫瘍,呼吸器感染症などの疾患や,ステロイドや免疫抑制薬,がん化学療法薬など,さまざまな全身疾患および薬剤による影響を受けることから,急性期病院の入院患者から自宅や施設にて長期療養中の慢性期・維持期の患者にいたるまで,数多く遭遇する疾患である.一方で,口腔清掃状態不良や口腔乾燥,義歯装着者など,口腔内の保清に起因する場合も多く,とくに高齢者では,日常の口腔ケアと口腔内の定期的な観察が必要である.
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