特集 内科臨床と性差
性別を踏まえた疾患アプローチ
女性の脂質異常
小川 真里子
1
,
髙松 潔
1
1東京歯科大学市川総合病院産婦人科
キーワード:
脂質異常症
,
動脈硬化性疾患
,
エストロゲン
Keyword:
脂質異常症
,
動脈硬化性疾患
,
エストロゲン
pp.1107-1109
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_1107
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Summary
▪女性は閉経に伴うエストロゲンレベルの低下により,脂質プロファイルが急激に変化し,動脈硬化性疾患のリスクも急増する.
▪閉経前女性では閉経後と比べて脂質異常症の頻度は低いため,二次性脂質異常症や家族性高コレステロール血症などの可能性にとくに注意する.
▪女性の脂質異常症患者の管理では,閉経の有無を問わず,まず生活習慣の改善を指導する.
▪更年期症状を有する脂質異常症の女性の診療では,ホルモン補充療法の脂質代謝へのベネフィットにも鑑み,治療方針を決定する.
▪脂質異常症治療薬の効果や動脈硬化性疾患リスクの低下には性差はみられないため,生活習慣の改善などの効果が乏しい場合は,必要に応じて薬物療法も検討する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021