Book Review
糖尿病最新の治療2019-2021
春日 雅人
1
1朝日生命成人病研究所 所長
pp.2147-2147
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_2147
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- 文献概要
わが国における糖尿病腎症による新規透析導入患者数は増加の一途をたどっていたが,2009年ごろから頭打ちとなり現在にいたっている.しかしながら,毎年1万6,000人以上の糖尿病患者が現在でも透析導入を余儀なくされている事実は,わが国における糖尿病診療において改善すべき点が多々あったことを示唆している.現在,わが国における糖尿病患者数は約1,000万人と推定されており,一方,日本糖尿病学会が認定する糖尿病専門医は6,000名弱である.したがって,多くの糖尿病患者は糖尿病を専門としない医師によって加療されていると考えられる.糖尿病の治療も,この10年間にDPP-4阻害薬,GLP-1受容体作動薬,SGLT2阻害薬が次々と上市され,血糖自己測定を補完する機器としてflash glucose monitoring(FGM)の使用が保険収載されるなど大きく様変わりしている.糖尿病を専門としない医師が,多忙な診療の合間にこれらの進歩について勉強し実際の診療に活かしていくには大きな努力が必要であろう.このためにも,最新の正確な情報を効率よく常時入手できることが肝要であり,このことは糖尿病医療のわが国における均霑化という観点からも重要である.
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