特集 癒着症例に対する胸腔鏡下手術完遂のための工夫
特集「癒着症例に対する胸腔鏡下手術完遂のための工夫」によせて
近藤 丘
1
1東北医科薬科大学病院
pp.487
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu74_487
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内視鏡下手術の外科医療への導入により,術後管理はいうまでもなく,手術適応にいたるまで従来の考え方が大きくかわった.またそれ以上に,手術を受ける患者側の負担が大きく減少し,外科医療に対する抵抗感も少なくなったのではないかと思われる.筆者が医師になりたてのころ,もう40年以上も前のことになるが,肺癌の外科治療は後側方切開による大きな開胸での手術が標準的なものであった.この手術を受けた患者は術後1週間ほぼ寝たきりで,退院できるまでに3週間近くを要し,術側の上肢や肩の運動障害を残すなど,管理する側もされる側も非常にたいへんであったことを記憶している.
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