連載 がん薬物療法看護のWhat’s Trending! Past ☞ Current ☞ Future 【22】
がん薬物療法を安全で確実に投与するためにどのように輸液ポンプを活用するか
森本 佐登美
1
,
菅野 かおり
2
1社会医療法人愛仁会 明石医療センター
2公益社団法人日本看護協会神戸研修センター
pp.110-119
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango29_110
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はじめに*2
がん薬物療法が,積極的に外来で行われるようになって15年以上が経過した.がん診療連携拠点病院をはじめとする多くの施設では,外来化学療法センターの環境整備や専門的な知識をもった医療者の配置など,患者が生活をしながら治療を継続するための支援体制が整ってきた.その成果もあって,各施設では外来でがん薬物療法を受ける患者の数は年々増加しており,患者の満足度も高くなってきている.こういった状況は,生活とともに治療できることや,仕事をしながら治療を継続できることなど患者にとってのベネフィットは大きく,患者が安心して治療を受けることができる.
一方で,常に更新される新規薬剤やレジメンなどへの対応,外来化学療法センターでの看護師の人員不足やスキル不足などの問題は常にある.このような問題に対して輸液ポンプの導入は一助となることが考えられるが,器材不足や壊死性抗がん薬の血管外漏出のリスクなどの理由で積極的に導入してない施設も多い.
本稿では,がん薬物療法時の輸液ポンプ使用実態の把握のために行った調査結果を示すとともに,2022年12月に発刊された『がん薬物療法に伴う血管外漏出に関する合同ガイドライン2023年度版』の輸液ポンプの使用に関するCQを参考に輸液ポンプの使用方法を考えてみたい.そして,輸液ポンプの導入を行うにあたって施設内の実態調査を行った結果を報告する.
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