連載 外科医の私論
キャリアドリフト―「流されてみる」ことの重要性
亀井 尚
1
1東北大学消化器外科
pp.186
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka87_186
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キャリアアップはいつ頃から世の中に登場してきたか.単に「職業人生のステップアップ」にとどまらず,将来を考えて専門学校とのダブルスクールで資格を取得する大学生や,新卒の就職先は3年後の転職が前提であるなど,計画的なキャリア形成が最近ますます地位を獲得しているようだ.一つの会社で勤め上げる昭和~平成の時代,社内の出世競争はあっても転職は一般的ではなかった.自分が研修医だった30年前も,「医師のキャリアアップ」は一般的に使う言葉ではなかった.しかし最近は,明確なキャリア目標を自らがデザインし,それに向かって計画的に進めないとバラ色の人生が開けない(?)とメディアも謳い,実際にそう思っている若手医師が多いようだ.
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