特集 世界各国における外科医の教育と地位
短報:中央アジア・カザフスタンにおける外科医の地位と教育
江口 晋
1
1長崎大学移植・消化器外科学
pp.834-835
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka85_834
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カザフスタンはロシア,中国という大国の間で中央アジアに位置し,日本からは韓国・ソウルを経由し,ソウルからの直行便6時間のフライトで旧首都アルマティへ到着する(図1).日本との時差は3時間である.カザフスタンは旧ソビエト連邦時代に核実験が行われたセミパラチンスク核実験場がある国であり,長崎大学は以前より被ばく医療の分野で,同国と協力・交流してきた.その流れで,消化器外科領域,特に肝移植でも,長崎大学とシズガノフ国立外科科学センター(SNSCS)との間に学術交流協定が結ばれた.2012年7月よりカザフスタンにおける生体肝移植への支援を開始し,当地で10例の生体肝移植を施行した(図2).生体肝移植はドナーの手術も必要なので,実際は20例の手術を施行・指導したことになる.そのほか,依頼を受け胸腔鏡下食道切除術,腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術なども導入のための手術指導をした.
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