変形性関節症 最近の知識
変形性関節症の臨床 軟骨の新しい評価技術の開発 動的不安定性と変形性関節症
前山 彰
1
,
内藤 正俊
,
吉村 一朗
,
森山 茂章
,
柴田 陽三
,
白水 圭
1福岡大学 整形外科
キーワード:
関節軟骨
,
関節不安定症
,
変形性股関節症
,
変形性膝関節症
,
加速度測定
Keyword:
Cartilage, Articular
,
Joint Instability
,
Osteoarthritis, Hip
,
Osteoarthritis, Knee
,
Accelerometry
pp.83-87
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008207260
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変形性関節症(膝OA)48例60膝を内側群38例50膝、外側群10例10膝に分け、加速度計を用いて動的不安定性を定量的に検出し、正常膝40例40膝(対照群)と比較した。その結果、対照群では外方動揺型(lateral thrust pattern)、内方動揺型(medial thrust pattern)、分類不能型(unclassifiable pattern)の3種類の波形を認め、内訳はlateral thrust patternが50%、medial thrust patternが12.5%、unclassifiable patternが37.5%であった。一方、内側群では全例にlateral thrust patternを、外側群では全例にmedial thrust patternを認めた。股OA24例48股(臼蓋形成不全)の三軸加速度計による検討では、歩行時の動的不安定性は上方・外側かつ後方へ増大することが示され、臼蓋形成不全の程度が強くなるほどその不安定性が増加した。さらにこの動的不安定性はCE角と最も強く相関した。以上より、動的不安定性はOAの発症・進行に関与する因子として重要であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008