発行日 2012年9月20日
Published Date 2012/9/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2012370750
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【目的】乳がん治療のCEF療法は高度催吐性リスクを伴う治療であり、NK1受容体拮抗薬であるアプレピタントを使用することによる嘔気抑制効果を検討したので報告する。【対象と方法】2008年12月から2010年12月までに乳がんの術後補助療法としてCEF療法を施行され、嘔気予防に5-HT3受容体拮抗薬(グラニセトロン塩酸塩)にアプレピタントを併用された6名を併用(+)群とし、5-HT3受容体拮抗薬単独で使用された19名を併用(-)群とした。それぞれの群における、(1)Grade 2以上の嘔気の頻度、(2)ラモセトロン塩酸塩(ナゼア)のレスキューとしての使用頻度を比較した。嘔気の評価は有害事象共通用語規準を用いた。【結果】(1)Grade 2以上の嘔気の頻度は併用(+)群0/6(0%)、併用(-)群11/19(58%)で有意に併用(-)群が多かった(p=0.0196)。(2)ラモセトロン塩酸塩の臨時使用は、併用(+)群で3/6(50%)、併用(-)群で19/19(100%)であり、有意に併用(+)群でラモセトロン塩酸塩の臨時使用が少なかった(p=0.0087)。【結論】アプレピタント使用により、抗がん薬治療中の患者の嘔気を有意に減少させることが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2012