発行日 2015年7月20日
Published Date 2015/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2015322945
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本研究の目的は、日本における2003~2012年の10年間に掲載されたがん化学療法に関する文献から、研究の焦点やエビデンスレベルを中心に看護研究の動向と課題を明らかにすることである。Web版医学中央雑誌(ver.5)で"がん""化学療法or抗がん剤""看護"をキーワードに検索し、該当した原著論文439件を分析対象とした。結果として、2003年以降、がん化学療法に関する看護研究は増加し、とくに外来患者を対象とした文献の増加がみられた。研究デザインは、質的研究と実態調査研究の占める割合が高く、仮説検証型研究や準実験研究・実験研究が少数であり、エビデンスレベルの高い研究をすすめていくことの必要性が示唆された。研究の焦点については、「患者の心理面に関する研究」「副作用・身体症状に関する研究」「看護師に関する研究」が上位を占めていた。「セルフケア・自己管理に関する研究」は、2007年以降増加がみられた。また、「患者のQOLに関する研究」は少数であり、がん化学療法を受ける患者に対してQOLの維持・向上ができるような看護に関する研究の蓄積が求められた。
©Nankodo Co., Ltd., 2015