発行日 2010年5月20日
Published Date 2010/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2010207849
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
広汎性子宮全摘出術後に排尿障害が生じた患者に対して、看護師がどのような看護を提供しているかを明らかにすることを目的として、婦人科に勤務する看護師173名を対象に、自記式質問紙調査を行った。回収は150部であり、そのうち記入漏れのあった21部を除いた129部を分析対象とした。分析は、基本統計量、Spearmanの相関係数、Mann-WhitneyのU検定およびKruskal Wallis検定を用いた。その結果、合併症予防と自然排尿確立への援助として重要な項目は実践度が高く、患者の個別性に配慮した看護の実践度が低い傾向にあった。また、多くの看護師が精神的看護を行っており、精神的支援の必要性を感じていることが伺えた。排尿障害への看護実践状況は対象者の年齢、看護経験年数、病院の種類、広汎性子宮全摘出術後の患者に接する頻度により違いがあり、経験年数や対象患者に接する頻度が多いほど、具体的な説明や精神的援助に関する実践度が高かった。必要とされる支援が提供できるよう、具体的な説明や精神的援助方法を経験により積み重ねていく技術としてとらえ、経験の少ない看護師や施設に伝えていくことの必要性が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2010