発行日 2006年11月20日
Published Date 2006/11/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2007053225
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本研究は、術後排尿障害が生じた患者の自尿確立までの体験を明らかにし、今後の看護支援を検討することを目的とした。広汎子宮全摘出術を受けた術後1年未満の患者7名を対象として、半構成的面接を実施し、得られたデータを質的帰納的に分析した。その結果、患者の自尿確立までの体験は【尿が出ない現実のつらさ】【排尿感覚を取り戻したい】【排尿訓練の努力が報われないもどかしさ】【自尿確立を困難にさせる要因】【尿が出るように自分なりの工夫をする】の5つにまとめられた。患者は、試行錯誤しながら行動や気持ちをコントロールし、回復への目標をもちながら排尿を確立していくと考えられた。看護者は、術後排尿障害が生じた患者の自尿確立までの体験を理解し、妨げとなる要因を考慮した上で、患者のペースに合わせた排尿訓練をしていく必要がある。さらに試行錯誤を繰り返し手術後の排尿を習得していく患者に対し、看護者は患者の意欲を支え、ともに考え排尿訓練を進めていく必要性が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2006