発行日 1996年7月20日
Published Date 1996/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.1997082074
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入院患者の調査から,がん末期褥創はがんの症状とその緩和対策をおもな原因として起こる末期がんの合併症の一つであると結論した.この褥創の特徴は,発生要因を患者が死亡するまで取り除けないこと,経時的に褥創の発生と悪化の危険性が高くなっていくこと,褥創対策と症状緩和対策が競合する場合があることと考えた.これらの原因と特徴からがん末期褥創の管理の原則を, 1)症状緩和対策を優先する, 2)達成可能な目標を設定する, 3)症状と緩和対策の変化に合わせて目標を修正する, の3つとした.この管理の原則に基づいてリスクアセスメント,褥創の診断,目標の決定,ケア,治療を実施した.がん末期褥創を合併する患者を減少させ,又,これを高率に予防,治癒或いは改善させることができた
©Nankodo Co., Ltd., 1996