発行日 2000年1月20日
Published Date 2000/1/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2000129237
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1)がん性褥創とは,ターミナルステージのがん患者に発生するがんの合併症で,がんの症状とその緩和策を因子とする. 2)がん性褥創には因子により,改善する褥創と悪化する褥創とがある. 3)改善するがん性褥創は,軽症で患者の推定予後6ヵ月から3ヵ月に起こる.この褥創の必須要因・圧迫は,筋肉・脂肪組織の減少,完全な起坐位・セミファーラー位・仰臥位のいずれかの持続を因子とする. 4)悪化するがん性褥創は,重症で患者の推定予後1ヵ月から2ヵ月に起こる.この褥創の必須要因・圧迫は,筋肉・脂肪組織の減少とファーラー位の持続を因子とする.リスク要因・組織耐久性の低下は,血液状態の悪化を因子とする. 5)がん性褥創の転帰は因子の分析によって判断されるべきである.これにより悪化するという判断に至った場合には,緩和ケアの一つとして他の緩和法との調整をはかりながら,褥創の症状緩和に徹するべきである
©Nankodo Co., Ltd., 2000