発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017114817
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55歳男。自己免疫性溶血性貧血、骨髄異形成症候群にて通院中で、2年前よりprednisolone(PSL)、ciclosporin内服中であった。今回、2週間前より倦怠感が出現し、定期外来受診時に乾性咳嗽、労作時呼吸困難を訴えた。X線およびCTで下肺野優位にスリガラス影を認め、入院の上で酸素投与を開始し、酸素4L/分でSpO2 98%を維持でき全身状態は安定していた。第2病日に気管支肺胞洗浄を行い、特殊染色でPneumocystis jirovecii菌体が確認された。HIVは陰性であったが、CD4陽性リンパ球は著明に低下していた。non-HIVのニューモシスチス肺炎と診断し、ST合剤およびPSL投与を開始した。しかし、骨髄異形成症候群のため低値であったWBCが更に低下し、G-CSF投与を行いつつ治療を継続した。経過は良好で3週間で治療を終了し、X線でもスリガラス影の改善を認めた。以後も呼吸状態は安定していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2017