腹痛を診る-非専門医に求められる初期診療 特殊な状況(病態)への対応
高齢者の腹痛
内堀 健一郎
1
,
鈴木 彰二
,
太田 祥一
1東京医科大学 救急・災害医学分野
キーワード:
意識障害
,
浣腸
,
虚血
,
血液循環
,
呼吸
,
消化管出血
,
術前診断
,
腸穿孔
,
病歴聴取
,
腹痛
,
腹膜炎
,
リスク
,
敗血症
,
病勢悪化
,
気道確保
,
腹部CT
Keyword:
Blood Circulation
,
Consciousness Disorders
,
Enema
,
Ischemia
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Medical History Taking
,
Intestinal Perforation
,
Peritonitis
,
Risk
,
Respiration
,
Abdominal Pain
,
Sepsis
,
Disease Progression
,
Airway Management
pp.783-788
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016410202
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高齢者はADLや認知機能の低下などから受診が遅れがちであり,身体所見も典型的ではなく,急性病態を見逃しやすい.また,全身の予備能力が低く,急性病態が起こると重症化することが多い.高齢者の腹痛診察では腹部臓器だけでなく,全身をくまなく診察すべきである.重症化してからの治療はリスクが高いので,緊急度を考え,安易な経過観察を行わず,CTなどの画像検査を活用して素早く診断し,できるだけ早く治療方針を決定することが重要である.外科手術などの治療介入を行った場合は,術後の集中治療管理まで確実に行う必要がある.一方で,救命不可能な場合,早期の緩和医療への移行なども検討すべきである.
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