いま知っておきたい! 内科最新トピックス (第11章)腎・尿路系
先行的腎移植は腎代替療法のオプション選択をどう変えるか
中井 健太郎
1
,
西 慎一
1神戸大学 大学院医学研究科腎臓内科
キーワード:
移植片生着
,
インフォームドコンセント
,
腎臓移植
,
腎臓疾患
,
リスク
,
腎置換療法
,
慢性腎臓病
Keyword:
Graft Survival
,
Informed Consent
,
Kidney Diseases
,
Risk
,
Kidney Transplantation
,
Renal Replacement Therapy
,
Renal Insufficiency, Chronic
pp.1227-1230
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016044873
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先行的腎移植(preemptive kidney transplantation:PEKT)は小児例で積極的に行われてきたが,近年では,わが国の成人における腎移植でも増加してきている.PEKTは,腎代替療法が必要となった時期に,透析療法を経ずに受ける腎移植を意味しているが,実際には腎移植直前に短期間の透析療法を行った場合も含まれる.PEKTは移植腎の生着率も良好で,長期透析合併症を阻止することができる治療法であり,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)症例の生存率を改善する可能性があり,腎代替療法のオプションとして欠くことのできないものとなっている.GFR 15mL/分/1.73m2にいたるまでに,本人と家族に腎代替療法について情報提供を行うことは,すべてのオプションにおいて有益であり推奨される.
©Nankodo Co., Ltd., 2015