いま知っておきたい! 内科最新トピックス (第3章)血液・造血器
発作性夜間ヘモグロビン尿症は補体に対する抗体さえ投与しておけばもう安心?
西村 純一
1
1大阪大学 大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学
キーワード:
ヘモグロビン尿症-発作性
,
投薬計画
,
補体
,
薬物抵抗性
,
臨床試験
,
新薬開発
,
Eculizumab
,
病態生理
Keyword:
Complement System Proteins
,
Clinical Trials as Topic
,
Drug Administration Schedule
,
Drug Resistance
,
Hemoglobinuria, Paroxysmal
,
Drug Discovery
,
Eculizumab
pp.1041-1045
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016044829
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発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は,PIGA遺伝子に後天的変異をもつ造血幹細胞がクローン性に拡大する造血幹細胞疾患である.ヒト化抗C5抗体eculizumabが開発され,溶血抑制のみならず,多くの溶血関連症状が改善した.eculizumabは骨髄不全には無効であるので,十分な臨床効果がみられない難治例も存在する.本邦例の約3%にeculizumabがほとんど効果を示さない不応例が存在する.PNHの病態は複雑なので,これらの難治例に対しては,病態に即した丁寧な対応が求められる.
©Nankodo Co., Ltd., 2015