発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011021875
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従来のLDLコレステロール(LDL-C)の低下薬として、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)を用いた大規模試験の結果、スタチン投与群で冠動脈疾患を含む心血管疾患の抑制効果がメタ解析で証明されている。一方、フィブラート系薬は血清トリグリセリド(TG)を低下させ、HDLコレステロール(HDL-C)を増加させるが、FIELD研究をはじめとして心血管イベントの抑制効果は、抑制傾向を示すものの、スタチンほど顕著な結果は出ていない。これに対し、最近わが国でも使用されるようになった小腸コレステロールトランスポーター阻害薬ezetimibeは、LDL-Cを低下させるのみならず、HDL-Cを増加させ、高TG血症がある場合にはTGも低下させる。このため、心血管疾患発症を予防するために、従来使われてきたスタチンに代わって、副作用の少ない小腸コレステロールトランスポーター阻害薬の使用頻度も増加し、これまでにいくつかの臨床試験が報告されている。本稿では、本薬の特長とどのような症例に使用すべきかなどについて述べる。
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