高血圧診療の最前線 最新の戦略と今後の動向
二次性高血圧の診断の決め手 腎血管性高血圧
佐原 真
1
1東京大学 医学部循環器内科
キーワード:
Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors
,
Renin
,
バルーン血管形成術
,
高血圧-腎血管性
,
超音波診断
,
MRA
,
レーザーDoppler流量測定
,
レノグラフィー
,
Angiotensin II Type 1 Receptor Blockers
,
CT血管造影
,
経皮的腎血管形成術
,
病態生理
Keyword:
Computed Tomography Angiography
,
Angioplasty, Balloon
,
Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors
,
Hypertension, Renovascular
,
Radioisotope Renography
,
Renin
,
Ultrasonography
,
Laser-Doppler Flowmetry
,
Magnetic Resonance Angiography
,
Angiotensin II Type 1 Receptor Blockers
pp.417-425
発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010124042
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腎血管性高血圧(RVH)は腎動脈の狭窄や閉塞に起因する二次性高血圧で、全高血圧の約1%を占める。原因疾患として動脈硬化症が最多で、線維筋性異形成が続く。腎灌流圧の低下によるレニン-アンジオテンシン(RA)系の賦活化が、病態発症機序として重要である。血圧が短期間で増悪しやすく、治療抵抗性を示すことが多い。腎動脈狭窄症のスクリーニングとして腎超音波・腎血流ドプラ検査、CT/MRアンジオグラフィが有用である。腎動脈狭窄症は、動脈硬化性疾患の独立した生命予後規定因子である。薬物治療抵抗性の高血圧や進行性の腎機能障害、再発性のうっ血性心不全を有する場合は、ステントによる経皮経管的腎動脈形成術(PTRA)の施行を検討する。PTRAの手技・デバイスは進化している。PTRAの適応については今なお議論が続いており、大規模臨床試験による検証が行われている。
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