高血圧診療の最前線 最新の戦略と今後の動向
特殊な状況の高血圧症の治療 妊娠中の高血圧治療の実際
山崎 峰夫
1
1神戸大学 大学院医学研究科総合臨床教育・育成学分野
キーワード:
Hydralazine
,
Labetalol
,
Methyldopa
,
Nifedipine
,
タンパク尿
,
経口投与
,
妊娠高血圧症候群
Keyword:
Administration, Oral
,
Hydralazine
,
Labetalol
,
Nifedipine
,
Methyldopa
,
Proteinuria
,
Hypertension, Pregnancy-Induced
pp.405-410
発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010124040
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妊婦の高血圧性疾患には、妊娠特有の病態である妊娠高血圧症候群(PIH)と偶発合併症である高血圧症がある。後者はPIHを併発することがあり、加重型妊娠高血圧腎症という。収縮期血圧160mmHgあるいは拡張期血圧110mmHgを超える重症高血圧は、母体合併症や続発症を防止するために降圧薬療法の適応であるが、胎盤機能不全が発生しないよう過度の降圧を避けねばならない。胎児への影響の観点から、妊婦にはACE阻害薬とアンジオテンシン受容体拮抗薬は禁忌で、methyldopaとhydralazineがもっとも安全とされる。nifedipineやlabetalolも広く国内外で使用されているが、日本では添付文書上妊娠中禁忌であるため、十分なインフォームドコンセントを得てから処方する。
©Nankodo Co., Ltd., 2010