診療controversy medical decision makingのために CKDでの尿酸コントロールレベル
消極的な立場から
伊西 洋二
1
1東邦大学医療センター大橋病院 腎臓内科
キーワード:
抗酸化剤
,
心臓血管疾患
,
Uric Acid
,
酸化ストレス
,
高尿酸血症
,
慢性腎臓病
Keyword:
Antioxidants
,
Cardiovascular Diseases
,
Uric Acid
,
Oxidative Stress
,
Hyperuricemia
,
Renal Insufficiency, Chronic
pp.588-592
発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008289975
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高尿酸血症は組織に析出・沈着して痛風関節炎や尿管結石、痛風腎、腎不全などを引き起こす一方、心血管イベントや心血管疾患による死亡、高血圧、肥満、高脂血症、インスリン抵抗性などとも深く関わっているとされている。慢性腎臓病(CKD)に関しても血中尿酸値の高値が発症や進展のリスクになることが報告されている。しかしながら尿酸自体が強力な抗酸化作用を有していること、またCKD患者の腎機能障害の進展や死亡のリスクが血中尿酸値が高値でも低値でも高まるJ型曲線を示すことから、CKD患者の目標とすべき血中尿酸値については6.0mg/dlを少し下回る程度にとどめるべきではないかと考える。
©Nankodo Co., Ltd., 2008