腫瘍内科診療データファイル
化学療法・放射線療法 放射線療法と合併症対策
村上 直也
1
,
井垣 浩
,
中川 恵一
1東京大学 放射線科
キーワード:
Dexamethasone
,
Steroids
,
嚥下障害
,
抗炎症剤
,
放射線骨壊死
,
腫瘍
,
口内乾燥症
,
脱毛症
,
疼痛
,
脳浮腫
,
皮膚炎-放射線
,
疲労
,
放射線療法
,
放射線粘膜炎
Keyword:
Alopecia
,
Brain Edema
,
Anti-Inflammatory Agents
,
Dexamethasone
,
Deglutition Disorders
,
Fatigue
,
Osteoradionecrosis
,
Neoplasms
,
Pain
,
Radiodermatitis
,
Radiotherapy
,
Steroids
,
Xerostomia
pp.1103-1112
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008061398
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放射線治療はさまざまな腫瘍に対し根治的な目的あるいは緩和的な目的で幅広く使われているが、さまざまな程度の有害事象がつきものである。一般的に腫瘍制御率は線量を増加することで高まることから腫瘍制御の観点からはできるだけ高線量を照射したいが、一方で有害事象発生率が高まることから線量をいくらでも上げることができないのが実情である。放射線治療の副作用は急性期と晩期に大きく分けることができる。急性期障害は照射開始後比較的早期に現れるのに対し、晩期障害は照射終了後数ヵ月から数年後に現れる。そしてどちらの障害も閾値以上の線量を照射されることで現れてくることが知られている。放射線による副作用について考えるとき、いくつかの例外はあるが、基本的に放射線障害は照射野内に起こるのが一般的であるため、放射線障害が疑われる状況に直面した医師は放射線科のカルテを参照し、照射野内に問題の部位が入っているかを確かめることが推奨される。また、上述したように放射線障害には閾値が存在するため、障害が疑われている部位が閾値を超える照射を受けているか、また障害が現れてしかるべき時期にあるのかも考慮するとさらに正確な評価が可能となる。
©Nankodo Co., Ltd., 2007