甲状腺疾患 診療スタンダードと新たなチャレンジ
甲状腺疾患におけるPEIT バセドウ病や非根治癌への適応
盛田 幸司
1
,
貴田岡 正史
1防衛医科大学校 内分泌代謝内科
キーワード:
Ethanol
,
Graves病
,
甲状腺腫瘍
,
甲状腺結節
,
保険適用範囲
,
経皮的エタノール注入療法
,
甲状腺嚢胞
Keyword:
Ethanol
,
Graves Disease
,
Thyroid Neoplasms
,
Thyroid Nodule
,
Insurance Coverage
pp.907-911
発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008056085
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甲状腺PEITの保険適用は、甲状腺嚢胞と機能性甲状腺結節である。甲状腺嚢胞へのPEITは、隔壁・実質部分が多いものを除けば、恒久的な効果が期待できる。また、4cm以下の機能性甲状腺結節へのPEITは十分有効である。バセドウ病では、術後再発など甲状腺体積が小さい場合、PEITが効く可能性がある。だがエビデンスは不足している。他の治療が施行できないときに、代替/補助治療として考慮すべきである。根治不能な甲状腺癌に対しPEITで局所制御を行う場合があり、一部ではQOL向上や維持に有効である。だが表皮欠損等の副作用を惹起する可能性や、手技には高度な技術が要求されるため、熟練した術者が施行すべきである。
©Nankodo Co., Ltd., 2007