甲状腺疾患 診療スタンダードと新たなチャレンジ
甲状腺疾患のFDG-PET診断 新たな診断手法への期待
杉野 公則
1
1伊藤病院
キーワード:
甲状腺疾患
,
甲状腺腫瘍
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
陽電子放射型断層撮影
Keyword:
Thyroid Diseases
,
Thyroid Neoplasms
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Positron-Emission Tomography
pp.899-902
発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008056083
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健診などのスクリーニングで行われるFDG-PETの場合には、2~3%の割合で甲状腺への取り込みがみられる。その多くは良性疾患である。甲状腺乳頭癌においては、微小癌を除くとFDGの集積は良好であるものの、診断には従来のmodalityを追加する必要がある。FDG-PETは、131Iシンチグラフィで取り込みがみられない甲状腺分化癌の再発巣の発見に有効である。131IシンチグラフィとFDG-PETは相補的な側面がある。また、もともとヨードを集積しない他の組織型の甲状腺癌においても、再発巣の検索に有用である。甲状腺分化癌において、FDG-PETの集積する病変は予後を反映している可能性がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2007