発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008049458
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62歳男。患者は20歳過ぎから末端肥大が出現し、再発性成長ホルモン(GH)産生性脳下垂体腺腫の経蝶骨洞摘出術を受けたが、以後は放置していた。その後、労作時息切れが徐々に悪化し、突然呼吸困難を来して心不全と診断され、諸検査の結果、下垂体腺腫の再発による末端肥大症に伴う心筋症と診断された。治療として、まず心不全に対してはcarvediol、enalapril、furosemide等を投与し、心機能の改善が得られた。更にcarvediolのみを継続したところ左室拡張末期径はより改善し、増悪もみられず保たれている。一方、下垂体腺腫に対しては、心不全のため再摘出術ではなく、放射線治療後にoctreotideを100mgないし200mgを1日2回に分けて皮下注し、目下はoctreotide徐放剤20mgを月1回筋注に変更、GHの抑制を得ている。尚、腺腫もMRI検査においては増大を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2007