発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2004159540
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60歳女.主訴は心窩部痛.内視鏡検査にてA1 stageの胃潰瘍が認められた.検査所見では,AST138IU/l,ALT123IU/lとトランスアミナーゼの上昇が認められた.肝炎ウイルスマーカーは陰性で,抗核抗体,抗ミトコンドリア抗体(AMA)はM2抗体も含めて陰性であった.肝線維化マーカーであるヒアルロン酸,IV型コラーゲン・7S及びプロコラーゲンIIIペプチドの上昇も認めた.PPIをはじめとする抗潰瘍療法を行い,同時に肝機能異常の原因精査を施行した.その結果,臨床検査所見より非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を疑い,肝生検を行ったところ,肝硬変までにいたったNASHと診断した.トランスアミナーゼはbezafibrate投与後4ヵ月目で正常値に回復し,CT上もCT値の肝/脾比が0.98へと改善を認めた
©Nankodo Co., Ltd., 2004