発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2004111656
- 有料閲覧
- 文献概要
54歳女性.患者は発熱および下肢の浮腫を主訴に,近医で末期腎不全と診断され血液透析治療を開始されたが,入院後の検査にて肺線維症,MPO-ANCA高値を指摘され,著者らの施設へ紹介入院となった.当初,本症例は顕微鏡的多発血管炎が疑われたが,理学所見で皮膚硬化を認め,さらにRaynaud症状の既往や抗Scl-70抗体陽性も認め,皮膚生検にて最終的に強皮症の診断に至った.なお腎病変に関しては,ANCA関連腎炎に膜性腎炎の合併が認められた.臨床経過においては腎機能の改善は期待できず,その他,活動性の血管炎を示唆する所見を認めなかったため,免疫抑制療法は行わず,血液透析を継続しながら現在経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2003