発行日 2002年11月1日
Published Date 2002/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2003099189
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69歳男.小脳出血により寝たきりで気管切開を行っていた.喀痰の増加により発生訓練が困難となり,頻回の喀痰吸引とcarbocysteinの投与にても症状に変化はなかった.1日量1200mgのfudosteineを1日3回食後に4週間投与したところ,動脈血酸素飽和度の改善を認め,胸部X線では全体的な肺野の透過性が増加した.また,投与後2週間~3週間を経て喀痰の減少と気管カニューレへの気道内分泌物の付着の低下が認められた.本剤投与中止後に喀痰スコアは増加した.血液検査,生化学的検査においては特に変動はみられなかった.以上より,本症例のような長期気管切開患者における喀痰のコントロールに対して本剤の長期的な投与が有用である可能性が示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2002