発行日 2002年5月1日
Published Date 2002/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2002210754
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35歳女.1990年ごろから元来好きであった酒量が増え,意識がなくなるほど飲むようになった.歩行時にふらつきと左眼が外側に偏位していることに同居人が気づいた.歩行不能となったため,入院した.頭部CTに異常なく,総合ビタミン薬の点滴と補液を行ったが,症状が続いたため転院した.アルコール多飲歴があることからビタミンB1欠乏によるWernicke脳症を疑い,総合ビタミン薬の点滴を開始したが症状に変化は認めなかった.葉酸値が低値であったことから,葉酸の内服を開始した.記憶障害に明らかな改善を認めなかったが,しびれと筋力低下は徐々に改善し,しびれは肘関節より末梢と膝関節より末梢まで改善,筋力は四肢末梢で3/5まで改善した
©Nankodo Co., Ltd., 2002