骨・軟部腫瘍 先端的研究と臨床の現況
診断 生検 骨・軟部腫瘍に対する穿刺吸引細胞診の有用性
堀田 哲夫
1
,
梅津 哉
,
須貝 美佳
,
高橋 加奈絵
,
生越 章
,
川島 寛之
,
有泉 高志
,
遠藤 直人
1新潟大学 整形外科
キーワード:
感度と特異度
,
骨腫瘍
,
生検
,
軟部組織腫瘍
,
細針生検
Keyword:
Bone Neoplasms
,
Biopsy
,
Sensitivity and Specificity
,
Soft Tissue Neoplasms
,
Biopsy, Fine-Needle
pp.783-786
発行日 2010年7月20日
Published Date 2010/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010312338
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骨・軟部腫瘍に対する穿刺吸引細胞診の有用性について検討した。骨腫瘍は178例の穿刺例のうち細胞が採取できなかった不適切材料が21例で、穿刺のみで最終診断がなされなかったもの48例にみられた。通常型の骨肉腫、Ewing肉腫、癌転移、リンパ腫では100%正診であった。感度、特異度偽陽性率、偽陰性率はそれぞれ95.5%、100%、0%、4.5%で、正診率は97.2%であった。誤診例は非定型的骨肉腫1例とgrade Iの軟骨肉腫が2例で、良性と判定された。軟部腫瘍は826例に対して穿刺が行われたが、不適切材料が109例あり、穿刺のみで最終診断がなされなかったものが394例にみられた。感度、特異度、偽陽性率、偽陰性率はそれぞれ85.5%、96、9%、2.5%、14.5%であり、正診率は91.3%であった。MFH、粘液型脂肪肉腫、横紋筋肉腫、リンパ腫、癌転移などはほぼ100%正診であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010