車いす用自動ブレーキシステムの安全性評価

車いす用自動ブレーキシステムの安全性について検討した。｢てこの原理｣のみを利用した簡易な構造の自動ブレーキシステムを開発した。スロープの傾斜角度が0°では、手動ブレーキのほうがブレーキ力は大きいが、傾斜角度を上げていくにつれて両者の差は縮まった。タイヤの空気圧を変化させても適圧と同じ傾向がみられた。システムのブレーキ部はタイヤに巻き込むように力が働く構造になっており、タイヤの空気圧やスロープの傾斜角度の変化があったとしてもそれに対応し、さらにタイヤに巻き込んでいくことから、ブレーキ力は落ちにくかった。溝のないタイヤでの予備実験でも同様の結果が得られ、タイヤ面が摩耗した場合でもブレーキ力は低下しないと予想された。