特集 唾液腺・甲状腺をきわめる
唾液腺腫瘍の外科的治療と画像診断の重要性
岩井 大
1
,
鈴木 健介
1
,
清水 皆喜
1
,
阪上 智史
1
1関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
キーワード:
顔面神経
,
神経鞘腫
,
腺様嚢胞癌
,
木村氏病
Keyword:
顔面神経
,
神経鞘腫
,
腺様嚢胞癌
,
木村氏病
pp.568-574
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000004548
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● 耳下腺腫瘍は多彩な組織型をとるため,穿刺吸引細胞診の正診率は十分でない.したがって,画像による質的診断の意義は高い.
● 耳下腺手術での顔面神経温存に向けた顔面神経描出法は,いまだ完成されているとはいいがたい.
● 耳下腺内顔面神経鞘腫は耳下腺由来の深葉腫瘍とされやすく,術中になって術者を戸惑わせる.MRIの特徴を利用した診断率向上が望まれる.
● 腺様嚢胞癌は神経浸潤と血管浸潤が特徴的であり,明らかな腫瘤形成を示さない場合は早期の画像診断が困難で,診断と治療を遅らせる.
● 木村氏病では好酸球を含んだ炎症性肉芽を形成し,内部不均一,辺縁性,皮膚浸潤様の所見を示すため,悪性腫瘍との鑑別が重要である.
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