特集 これだけおさえる胸腹部解剖―血管と管腔のvariation & anomalyを中心に―
序説
衣袋 健司
1
1日本大学医学部放射線医学系放射線医学分野
pp.531-531
発行日 2021年4月25日
Published Date 2021/4/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000002290
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今から30年前,本特集号の著者の一人である吉満研吾先生とともに,米国テキサス州立MD Anderson Cancer Center(MDACC)の放射線科に短い期間ではあったが勤務していた.その際,同センターの腹部画像診断のトップともいえる,故 Chusilp Charnsangavej先生に師事する機会を得た.当時,先生は膵癌の画像診断の研究を行っており,血管を主軸に据えてCT画像を読影する方法を考案していた.大腸癌リンパ節転移についても,癌の部位から考えてどの血管に沿ったリンパ路があるかを想定してその血管周囲をチェックしていくことなどを,ランチタイムのミニレクチャーで話されていた.さらに,こういった論理的なアプローチ法を単なる講義だけではなく,学会や論文にまとめて発表されていた.のちに先生は,『Meyers’ Dynamic Radiology of the Abdomen』の共著者として名前が載るようになった.
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