特集 麻酔のすべて【後編】─麻酔科医の役割・業務─
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大鹿 博之
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1埼玉医科大学国際医療センター 麻酔科
pp.278-280
発行日 2020年2月25日
Published Date 2020/2/25
DOI https://doi.org/10.15105/CE.0000000670
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麻酔チャートとは,患者状態や手術情報,薬剤使用記録などの周術期管理に必要な情報を経時的に記録したものである1).世界で最初に麻酔チャートを発明したのは,Harvey Williams Cushing(Cushing病の発見者)とErnest Amory Codmanの2人であった.1894年当時,外科手術の麻酔は医学生の役目であり,医学生のCushingは自身の麻酔により患者を死亡させてしまった.後悔した彼は親友のCodmanに相談し,自分たちの麻酔技術を向上させることを誓い,どちらがよい麻酔をかけられるか夕飯を賭けて競い合うことにした.その賭けの判断材料として自分がかけた麻酔を紙に記録し,見せ合うことにしたのが麻酔記録の始まりといわれている2).
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